Classiques japonais avec furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
梶子は梶子で考えていた。
(今夜こそは、どうともして日頃の想いを!)
このことを考えているのであった。
さっき二人で酒を飲みながらの、うちとけての話で民弥の心が、とうとう常になく軟化して、恋を受け入れてくれそうになった。
(なんてまアまア嬉しいことか!)
で梶子は体中の血が熱く燃えて胸を搏ち、体中の肉がうずき痲痺れ、眠るどころではないのであった。
(妾の方から行こうかしら?)
まさかそれだけは! と思うのであった。
幾度となく寝返りを打ったり、咳をして見せたりするのであった。
(こうなると、間をへだてている、人形様が邪魔になるよ)
――で、憎さげに人形箱――とりわけ今夜は大きく見えるのへ、幾度となく眼をやって睨んだりした。
(あの人形箱が、あるばっかりに、民弥様の可愛らしい寝顔が見えない)
そんなようにさえ思うのであった。
民弥の心はどうなのだろう?
梶子とは全然反対であった。
なるほどさっきは梶子に口説かれ、ふと浮いた気持ちになり、一面梶子の恋を入れ、油断をさせて人形の胸から、宥免状を取り出そうと、そういう功利的の考えもあって、今夜梶子と恋をとげようと、思ったことは思ったのであったが、その直後に鵜の丸兵庫に逢い、今夜同志が死を覚悟して、本陣備前屋に火を放し、同志の一人五十嵐右内を、奪い取って青塚の郷の、佐原嘉門