Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

さすがに小平は紀州藩士だけに、梶子の噂は聞き知っていた。

でそう云うと恐縮しきって、また恭しく一礼した。

軍右衛門はすっかり怯えてしまった。

六万余石の小大名の家臣、それも比較的軽輩だったので、梶子というような特殊の女――いってみれば日本的の女隠密の、高名も噂も聞いていなかった。

が、今聞けば何んということか! 将軍家に次いで威権赫々たる、ご老中筆頭の松平伊豆守様の、女隠密であるという。ご親藩三家でも群を抜いて偉大な、紀伊大納言頼宣卿とも、膝つき合わせて話し合えるような、そんな特権を持っている、気味の悪い女だということである。

すっかり軍右衛門は怯えてしまった。

「いやはや何んとも……何んともイヤハヤ……」

云い云い彼は額の汗をぬぐった。

「さようなお方とは夢にも存ぜず、心安だてのこれまでの応対、平にお許しくだされますよう」

ここで脇の下の汗をぬぐい、

「今後はなにとぞお見知り置かれくだされ、何かとご芳情にあずかりたく……」

と、今度は鼻のあぶら汗を拭き、

「それにいたしてもそのようなお方が、われわれの勢にお加わりくだされ、青塚などへおいで遊ばさるとは……」