Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

船にぶつかって砕けた波が、船の周囲で泡を湧き立たせ、大滝の壺さながらの姿を、闇の中に現わしている以外は、一望まったく墨のような黒さで、空と海とのけじめさえつかない。しかも盛り上がり盛り下がる波は、暗い中でも見てとられ、その轟音に至っては、嵐と雨との音を雑え、吼えるとも聞かれ嘯くとも聞かれた。

が、壮観なのはそういう海上を、伴侶に離れた不知火のように、数点の火が右往左往、あるいは前後に飛び駛り、この大船の周囲を巡って、決して離れないことであった。

小船の篝火の光なのである。

そこから叫び声が間断なく聞こえた。

老貴公子は船首に立って、それらの小船を見下ろしていたが、

「やあ彼らは海賊ではないぞ。……悪意を持っている者どもではない。……声の調子で自ら知れる。……聞いてみよ、何を叫んでおるか……?」

こう家来に声をかけた。

家来達は口々に叫んだ。

「やア海上の小船の方々、何んのご用あって参られたぞ! 申されい、申されい!」

すると小船から叫ぶ声が聞こえた。

「われらは上村の漁師でござるが、お見受けいたせばご難儀の様子、それにこの辺の水路については、不案内の様子に見受けましたれば、ご案内いたそうと参ってござる!」