Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

「この人たち可哀そうですわねえ」

「可哀そうな犠牲です」

と、民弥も弱々しく真面目に云った。

「ここで殺された人達です」

「そうよ、秘密を洩らされまいとしてねえ」

「これだけの部屋をこしらえて、これだけの財宝を運んで来て、首尾よくここへ納めた時が、この人たちの殺される時。――そういうことになったのですねえ」

「人柱ですのね、可哀そうに」

「その人柱に守られて、今日まで財宝があったという訳です」

「それをわたしたちが頂戴するのねえ」

「しかしわたしたちも苦労しましたよ」

「そうですわねえ、死ぬか生きるかの。……でもとうとう望みをとげましたわ」

梶子はここまで云って来たが、ここでにわかに情熱的になり、

「もう一つの望みはどうなるのでしょうねえ」

「もう一つの望みとは?」

「…………」

梶子は返辞をしなかった。

しかし燃えるような愛情の眼で、民弥の顔を凝視した。

それは恋の眼であった。

(そうだった!)

と民弥は思った。

(久しい間絶える暇なく、何んとこの女はこの自分を、烈しく愛してくれたことか! 危険の時にも平和の時にも、終始一貫して愛してくれた! そうして最後には夢のような、このような巨財を与えてくれた!)