Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

「まあ」

と叫ぶと菊女は部屋から、廊下へ飛び出し玄関の方へ、よろめきながら走って行った。

身なりの卑しい男ではあったが、一人の男が土間に立っていて、菊女の姿を見かけるとすぐに、

「おおあなた様が菊女様で、私は町の者でございますが、道を来かかると一人のご浪人様を、大勢のナラズモノが取り囲み、そのご浪人様に打ってかかり、そのご浪人様はお気の毒にも、大変なお怪我をなさいまして、とうとうお仆れなさいましたので、私がご介抱いたしますと、『鵜の丸兵庫という者であるが、吉野屋に菊女という女客が……』」

と、出来事をこまかく話し出した。

恋人兵庫にかかわる事件!

しかも大怪我をしたという!

菊女はすっかり動顛してしまった。で、話を皆まで聞かず、

「ようお知らせくださいました、厚くお礼申し上げまする。……すぐにわたくし参りまする、どうぞご案内くださいませ!」

「ハイハイご案内いたしますとも、ご案内して来るようにと、兵庫様よりのご依頼なので……」

「しばらくお待ちを……」

と云いすてて、菊女は部屋へ走りかえり、こればかりはいつも放さない、長目の懐刀を帯へ※(「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28)むと、ふたたび玄関へ引き返して来、