Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

「さようさよう嵌めこまれているよ」

「としますとこの雛一対の値……」

「一万両じゃということじゃ」

「一万両! それはそれは! まことに胆のつぶれるような話で」

「贈るお方がご老中筆頭、松平伊豆守信綱公で、贈られるお方が関白職の、鷹司卿のお妹君、簾子様とあってはその贈物が、一万両ぐらいしなければのう。……ところで……」

と云って来て姉小路卿は、困ったような顔をした。

「わしは明後日江戸はたつが、ほかへこっそり廻らねばならぬ」

この言葉は民弥にとって、全く寝耳に水であった。

「どこへおいでなのでござりますかな?」

「保養じゃ保養じゃ」

と姉小路卿は笑った。

「こっそり伊香保の温泉へ行ってノンビリ湯治するつもりじゃ」

「それは結構にござりますなあ」

こうは民弥は云ったものの、

(大変だ)

と、心中では当惑した。

(頼宣卿へ手渡す密書、同志宥免の嘆願書は、一日を争う火急のものなのだ。まごまごしていて期におくれたなら、同志は刑殺されてしまう。……明後日江戸を立って京都へ帰る――ということであったればこそ、宥免状をたずさえて紀州へ行くことを、自分でも引き受けたしまた同志にも、ああねんごろに頼まれたのだ。