Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わかとのじょなんき

若殿女難記

山本 周五郎

Lisez 若殿女難記 (わかとのじょなんき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 611 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

九

「悪酔いを風呂で醒ます」

紋太夫は首を傾げながら、すぐに湯殿へとんでいってみた、お次には宙野儀兵衛がしんと坐っていた。

九

「彼はまだ入っているのか」紋太夫は引戸へ手を掛けた。「音がせぬようではないか」

「お錠が下りてございます」儀兵衛は紋太夫の手を押えた。「たいそうな悪酔いで、つい今まで暴れておりましたが、ようやくひと鎮まり致しましたので、少し寝るからと云って中から錠を下してしまいました」

「ばか者が――」紋太夫は舌打ちをして、これと呼びかけたが、そこに衣服があるのを見て安心したのだろう、「昨夜は増井殿、今夜はまた小林うじが掠われた、恐らく御為派の仕事に相違あるまい、ことによると若殿をも覘うかも知れぬ、よくよく注意を頼むぞ」

「承知仕りました、その儀なれば些さかも御心配はございません、必ずお護り申しますから」

紋太夫は去った。しかしなぜだろう、五十塚が去ると宙野はほっと息をつき、静かに額の汗を拭った、まるで大難をのがれた者のような表情である。――そして間もなく、湯殿の中でかたりと音がした、給仕口の戸が開いて閉ったように聞える。続いて、「いるか」と低く呼ぶ声がした。