Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans
「三時四十分」
つや子はそのまま食堂の椅子にのこった。そして、テーブルの上へ船のエハガキのアルバムをひろげはじめた。
千種とよばれる青年は、伸子の顔を見ない姿勢のまま、たしかめるようにカフスの下で自分の腕時計を見た。
やがて、かえる挨拶がはじまるかと待っている伸子に、千種は、
「どうも、あなたの云われることが信じられない」
と云い出した。
「必ず、わかっていられると思うんだがなあ」
――伸子の心持が鋭い角度でかわった。伸子は、不愉快に感じたつよい声の表情をありのまま響かせて、
「あなたは、わたしから何をきかなければならなくて、いらしっているのかしら」
何をきかなければならなくて、というところに、身のかわしようのない抑揚をつけて訊いた。
「大使館の方々って、大体、良識だの好い趣味だのって大変むずかしいのに、あなたの社交術はまるで別ね。失礼ですけれど、あなたは、わたしのところへいらっしゃるよりも、フランスの共産党へいらっしゃるべきだったわ。そして、いまおっしゃったようなことを、おっしゃって見るべきだったわ。もし、あなたがわたしにわからない方法でモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ行くべき方なら、その理由からわたしのところへなんぞ決していらっしゃるはずがないんです。