Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

十三

十三

雨の夜で、伸子が窓ぎわに立って外の往来を見おろしていると、レイン・コートを着た男と女のひと組が、むこう側の歩道をいそぎ足に通りすぎて行くとき、ネオンの光が、おもやいにさしている濡れた雨傘の上に赤々と流れた。

クリーム色と緑の配色で壁や椅子が飾られている下宿ルドウィクのその室に伸子は一人で、テーブルの上に「戦旗」の旧い号が二冊ひろがっている。伸子は、初めてその雑誌を見た。一冊の表紙にはソヴェトの石油工場らしい写真が、もう一つの方には、外国の鉱山夫らしい男が片手に安全燈のようなものをぶら下げながら笑い顔でこっちへやって来る写真がつかわれている。全日本無産者芸術連盟機関誌として去年のなかごろから発行されるようになったその雑誌には、伸子がこれまで日本の雑誌で触れたことのない新鮮さと、国際的な触手と、闘争の意志があふれているのだった。川瀬勇が「戦旗」へ、伸子もなにか寄稿するようにと云ったとき、伸子ははじめてその名を知った。

「ほう、見たことないの。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へは送ってるのかと思っていた。――こっちのリンクス・クルフェ(左翼曲線)みたいなものだがね」