Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

十二

伸子たちは、メーデーの半月ばかり前から思いもかけず、ベルリンからモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来た若い画家の蒲原順二と、一つホテルの部屋に雑居生活をしているのだった。

蒲原は気をくばって、夜着物をぬいで寝るときとか、朝起きて女二人の身じまいする間、場をはずして、伸子や素子の迷惑にならないようにふるまった。そのかぎりでは、一人の男が、二人の女の中にまじった生活も大した煩わしさではなかったが、そもそも、蒲原順二が伸子と素子の生活に出現したいきさつは唐突だった。

ある午後В・О・К・С(対外文化連絡協会)から伸子に電話がかかって来た。このごろは、あまりВ・О・К・Сへ出かけない伸子に、是非たのみたいことがあるから、すぐ来てくれるように、というのだった。

「何の用なのかしら」

また日本から、芝居か映画関係の人が来て、その交渉の助手のような用でもあるのかと思った。

「あなたをよべばいいのに」

仕度をしながら、伸子はいくらかこぼす口調だった。

「あなたなら、言葉もちゃんとわかるんだのに」

「わたしは、いやだよ。ぶこちゃんがいいのさ。わたしのつっかえつっかえの正しいロシア語より、ぶこの一斉射撃の方が、結局役に立つんだろう。