Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

「まあいいや。どうせ、まだ十日もあるんだから……」

自分は交渉に出かけず、何か心当てでもありそうにいう素子の楽観を、伸子は背中をかたくしてきいた。伸子は、ホテルでも、自分たちが困っていることをよくはっきり説明した。どうしてもパッサージ以外に室を見つけるあてを持っていないことを説明した。モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)の生活では、ホテルと云ってもそれはよその国での個人営業の客商売と同じ性質のものではなかったから、今の場合パッサージが伸子たちに室を与えるかどうかということは、つまりは、伸子たちがソヴェトに滞在している可能性があるかないかという客観的な条件までを間接に反映する事なのだった。きょう満員だったということは、偶然のことだったのか。或いはそうでない性質をふくむ返事だったのか。伸子は、そこがわからないで帰って来ているのだった。

伸子は、自分のその懸念を素子に話すことが出来なかった。

翌日、同じ時刻に、伸子はパッサージの事務室に現れた。きょうはきのうより混んでいて、三人の男が事務所のデスクを囲んでいた。三人の誰もが、サインやスタンプの押されている紙きれを出して部屋の交渉をしている。