Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

ベルリンで毎日世話になっていた川瀬がモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)へ来たのに、何のもてなしもするひまがなくなってから会うことになったのを、素子はひどく残念そうだった。

「――ひとこまらせだよ、こんなの……」

「出かけてしまっているかとも思ったんだが、ひとめ会おうと思ってね」

もうやがて十一時になる時刻だった。伸子は、ひとのいい若い女らしい気のもみかたで、素子に相談をもちかけた。

「ねえ、川瀬さんに、なにをお祝いする? もって行かせなけりゃ。こっちから品物は送れないんだから」

「何にもいらないよ」

「そうは行かないがね」

考えていて、伸子と素子とは、いちどきに口をききかけた。

「この間クスターリヌイ(民芸美術館)へ行って買って来たものを出して、見てもらおう。その中から気にいったものをよってもらうのがいいだろう」

「わたしもそう思ったところだった。じゃ、すぐ出す」

床の上にひざまずいて、伸子は自分の寝台の下におしこんである籐の大籠をひき出した。そして、ロシア刺繍のほどこされた数枚のテーブル・センターと、まだ仕立ててない婦人用ルバーシカを、テーブルの上に並べた。