Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

伸子は、そんなことすべてに気がつかなかった。気がつかなかったということから、伸子は保に対する自分の情のうすさを責められた。

一月に、温室について保へ書いた伸子の手紙に対して多計代が怒り、伸子をののしった手紙をよこした。それぎり多計代と伸子との間に直接のたよりは絶えてしまっているのだったが、そのわけも、間に三月の保のことがあったとわかれば、おのずからまた別の角度で伸子に思いあたるふしもある。父の手紙によれば、三月の夜のガスのことは、家族のあらゆる人から完全に秘密にされていた。知っているのは保と父と母のみである、とかかれていた。多計代は、この秘密を伸子にたいして絶対に守ろうとしたにちがいなかった。多計代にとっては神聖この上ない保の秘密を、破壊的だと思われている伸子、物質的だと考える伸子には決してふれさせまいときめたのだろう。そのために一層手紙もかかなくなったと思える。

伸子は、もっとつよくも想像した。多計代はもしかしたら、三月の夜保のしたことに、姉の伸子の冷酷な手紙が原因しているとさえ思っているかもしれなかった。保は、そんな風にはうけていなかった。雪のつもった大使館の外庭の菩提樹の下でよんだ保からのハガキを伸子はまざまざと思い浮べることができた。