Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans
そこには恋愛があった。肉体の動きとして表現された情熱と、声として、行為としての思想とがあった。十六歳の伸子は、愛し、憎み、思考し、はげしくもつれあう人生を生のままに目で見、耳できき、ふれられる体の表現として、とらえられている小説にひかれた。
こうして、伸子は川辺みさ子から離れた。離れたと云ってもピアノの稽古をやめたというだけであったが。――伸子はその後もかかさないで彼女の演奏をきいた。
伸子が女学校を終ったばかりの早春、川辺みさ子の身の上に思いがけない災難がおこった。或る晩、友人のところから帰りがけ、赤坂見附のところで川辺みさ子は自動車に轢かれて重傷を負った。夜ふけの奇禍だったのと、本人が昏倒したままであるのとで、どこの誰とも判明しないままに築地の林病院に運びこまれた。その婦人がピアニスト川辺みさ子であると知れたとき、世間はおどろいた。川辺みさ子の負傷は頭部だった。脳底骨がいためられて重態だった。伸子は、林病院のうすぐらくて薬のにおう病室の控の間で、小声にひそひそと告げられる川辺みさ子の病状に戦慄した。
その年の秋もふけてから、川辺みさ子は病院から自宅へかえって来た。