Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうひょう

道標

宮本 百合子

Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans

Aozora Bunko

だろう。それがすべてに通じる事実というものの本体なのだ。

伸子は、ウィーン風の春外套の背中で女らしく結び飾りがゆれるのを意識しながら、一段一段のぼってゆく靴のつまさきに目をおとして、素子と黒川隆三がタバコをくゆらしている場所へもどって来た。

もどってみると、素子が、胸の前にくみ合わせた右手に長い女もちのタバコのパイプをもったまま、並んでその胸壁にかけている黒川を凝っと見て、議論している最中だった。

「へえ、妙な理論なんだな。じゃあ、あなたの社会主義じゃ、インテリゲンツィアってものが、それとして一つの階級だってわけなんですか」

「まあ、そうですな。――少くともインテリゲンツィアの独自性というもの、ビルドウングというものは守ってそれとして発展させてゆかなけりゃならんのです」

「そのビルドウングとかって、なんなんです?」

素子一流の率直なききかただった。

「日本語で云えば文化とでも訳すかな。ほんとはずっと複雑な内容をもったガイスティックなものなんですがね」

「ガイスティックてのは?」

つっこんでまた素子がきいた。

「精神的、或は知性的とでもいいますか」

皮肉な表情でそうやって、ぐんぐん追っかけてきくところは、素子だった。