Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どうひょう
道標
宮本 百合子
Lisez 道標 (どうひょう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 846 457 caractères · 1672 écrans
「ロシアの人のこころとチャールストンのリズム、ちがうでしょう」
伸子も、ドーリヤにわからせようと片言の日本語になって云った。ドーリヤは、なおしばらく、せかせかとぎごちなく足を動かしていたが、
「本当だわ」
ロシア語で、真面目な顔つきで云って足のばたばたは中止にし、両手をうしろに組んで、面白いことをさがし出そうとするように、秋山の室のなかをぐるりと歩いた。やがて伸子のよこにかけて羽織をいじくっているうちにドーリヤは、子供のとき両親につれられて、日本見物に行ったときのことを話し出した。
「何と云いました? あの温泉のある美しい山の公園――」
「どこだろう、ハコネですか」
秋山が云った。
「おお、ハコネ。そこで、わたくし、一つの箱買って貰いました。小さい小さい板のきれをあつめて、きれいにこしらえた箱です、そして、それ、秘密のポケットもっていましたね」
「ああ寄木細工の箱だ――貯金箱ですよ」
慎重な顔で内海が、きわめつけた。
「その箱、いまどこにあるの?」
伸子がそうきくと、ドーリヤ・ツィンは目に見えて悄気た。両肩をすくめて、
「知りません」
悲しそうに云った。
「わたしたちはどっさりのものを失ったんです。