Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

障子紙を細く裁って、短冊に代えた紙きれへ、誰かが、こんな句を、いたずらに書く。いたずらにふと書いた句だが、ひとりで黙笑しているのも惜しく、黙って隣の者へ示すと、その人も、黙笑して、興がった。

見ると向うに、平賀源内がいる。細い顎へ片手をかって、自分が句に作られているのは知らずに、しきりに短冊を睨んでいた。

まだ独身で、九条村の百姓家に間借りをしている医書生で、夏は唐人扇子をパチつかせ、冬はぼろ隠しの十徳を着て、飄々乎としている源内が、仕立ておろしの初袷をつけて、いつになくこざっぱりしていたのは、季題はずれのように衆目をひいた。けれど、のちには、この一介の医生が、世間の好奇心をしきりにあおって、鴻の池や大名屋敷へ取り入って、花柳界へ源内櫛を流行らせてみせたり、物産会をやり舶載物の売りひろめを試みたりなどして、おそろしい金持になった。

そこで、「源内は俳句よりも金儲けのほうがうまい」と、のちには人がいったものだが、まだ、そうならない時代のかれは、運座へ来ても器用な句を作って、俳諧なんて、造作もないもんだ……というような顔をしていた。

で……さっきのいたずら詠の句屑が、どうかした拍子に、自分のほうへ飛んできたのに気がついて、ふと、その句を読むと、