Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

そして、つづらを開けて呼び止めると、誰か人が入ってきたので、また、中へ潜んでしまった。それが常木鴻山であると知ったら、その必要もなかったが、咄嗟に蓋をかぶってしまったので、かれも先も気がつかずに、鴻山はまた走りだして行った。

その後で、弦之丞はお米を承知させて、お綱と姿をとり代えさせた。宅助は否応なく、合羽を剥がれて押し込まれた。すべては、まったく一瞬の間に行なわれたのである。弦之丞が代玉を入れて錠をかっている手も間に合わないくらいに、そこへ、竹屋三位が来たのだから――。

で当然に、松兵衛も新吉も、つづらの中がすり変ったとは知らないはず、達磨部屋の底に嘆息をついて、お家様への言い訳や、後で領主からどんな厳罰をくわされるかと、頭をなやめているわけだった。

「おお、ひどい風」

お綱は白鳥のように飛んだ手拭の行方を見送って、帆柱の腰へ背なかを支えた。弦之丞もその白いものへ眸をあげた。なぜか、その一瞬に、かれは悲恋非業の終りを遂げたお米の魂のさまよいを見る心地がした。

すると。

今お綱が艫のほうにボンヤリと見た二ツの人影が、いつのまにか、足音をぬすませて、弦之丞のうしろに立っていた。