Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

弦之丞は知っている。

すでに、捕手の頭は冷智になって自分を見ている。何か一瞬の狂人にさせるきッかけがなければ、かれらは決して、朱をあびる域へまで、捨身にかかってこられない。

「弦之丞!」

やむなく浅間丈太郎がいった。

「――遁れぬところと覚って自首して出たか」

「そうならば定めしご都合もよかろうが……」

口辺に冷蔑を漂わせて、

「少しご無心を申すのじゃ」

「無心ッ?」

「今、この境内で召捕られた、ふたりの縄付を、拙者の手へ渡してもらいたい」

こんな言葉へ、もしまじめな応答をするならば上役人の資格はない。――弦之丞はそういった口ですぐにまた、

「お渡しはあるまいな、それが世上へ聞こえては貴公たちの扶持ばなれじゃ。しかし、拙者一身のため、縛をうけた大勘と源次を見捨ててもおかれぬ。どうでもこのほうへ申しうけるぞ」

「だ、だまれッ」

「アイや」

「文句をいわさずに、弦之丞を召捕ってしまえ」

「騒ぐなッ、ここは医王山の霊域、汝ら、不浄な血と死骸を積んで、寺社奉行への申しわけ何とするか。それはともあれ、仏地への畏れ、また第一足場が悪い。まず騒がずにおいでなさい。山を下るまでご同道申しあげよう」