Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

乱岩に散る波の銀屑である。そして白い無数の渦潮、或いは青黒い渦である。

そこの岬からひと跨ぎに見える淡路の鳴門崎までの間十五間、飛島、裸島の岩から岩を拾ってゆけば、歩いても渡れそうだが、そうはゆかない。

しかし、関を破って一散に、ここへ逃げてきた周馬である。本土へのがれる確信と相応な用意はしてある筈だ。

ヒュッと何か投げたかと思うと、松にひとすじの縄を廻して、その結び目を送るが早いか、スルスルと断崖を辷って行く――。

そこを降りれば岬の根に、手ごろな舟が幾つもあった。鳴門若布を採る舟である。周馬はヒラリとそれに乗って、大胆にも渦巻く狂浪の中へ突いて出た。有名な大鳴門! おそろしい渦の海峡! そこへなんたる無謀だろうと思われたが、実は彼、この渦潮の海峡を難なくわたる秘密の瀬を知っていた。

どうして? といえば。

最初にそれへ気がついたのが三位卿で、ここの天険に軍船の配置をする場合のため、克明に鳴門一帯を測量した時、水陣図のおぼえ書に、その渦路の秘密も書き加えておいた。

まだ書きかけであった鳴門水陣の一帖は、その後、かれが剣山で落し、甲賀世阿弥の血汐とぎらん草の汁に染まって、転々、今では周馬のふところの裡にある。