Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なるとひちょう

鳴門秘帖(三)

吉川 英治

Lisez 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 261 216 caractères · 521 écrans

Aozora Bunko

――さらにそれを追っかけてくる者は、お十夜であり、三位卿であり、柳川藩の湧井道太郎であった。

この場合、弦之丞は、後からくるお十夜を先に討つべきか、それとも、旅川周馬を先に追おうか? 前後の敵、腹背の難――さすがに迷いみだれていた。

が、疾駆する間に、かれは、私意や憎悪にとらわれて、人を目標とする剣争のムダなことを悟った。

鍵! 阿波の秘密を語る鍵! 幸福の扉をひらく大事な鍵!

世阿弥が精血をそそいだ隠密遺書。

それが眼目だ。

今は――それが最後の努力をかける焦点だ。あれを周馬の手で江戸へ持たれて、かれの野望に功名をとげさせては、自分の周囲にある者の不幸さ加減はどうだろう。

いや、生ける者の不幸とともに、あの秘帖にそそぎこまれてある、甲賀世阿弥の尊い血汐に対して会わせる顔があろうか。

「わしの精血を恥かしめるな、わしの苦心を悪人に利用せしめるな、わしは浮かばれぬぞ! 秘帖を趁え! 秘帖を趁え」

暗い天に、そういう、しわがれた世阿弥の声がきこえるようだ。

周馬の影が、渦潮のしぶきに見失われた頃、ふたりは、かれが残した梢の綱を見つけて、手をかけた。

ばらばらとこぼれゆく岩のかけらに、磯の下からよじ登ってきた万吉。