Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

Lisez ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) de 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 132 905 caractères · 262 écrans

Aozora Bunko

八 仙人ノ湯

光りはもとより鮮かだ、そして影もまたあきらかだ。一点の曖昧模糊も跡をとどめぬ。天と地との界いする処に、初めて現われる景色である。

しかし季節が秋に入ったせいか、この滞在中、とかく天気ぐせが悪く、こうした好い日和は三日ばかりしかなかった。ときどきこの大窓の雪渓に、孑子よりもまだ小さな黒点が、認められることがある。ちょっと動くとも見えないけれど、これが鉱山の人たちの、早月川へ乗り越して、伊折の村と往き来する、その人影と分った。鉱石を背負い出す、食料を運び上げる、いわばそれは、鉱山の大動脈なのだった。そのため、雪の上に足形を切り、手頼りに鋼線が張ってあるという。しかしこうして離れて見れば、そんなものはまったく眼に入らない、あるもないも同じことだ。また現に、雨のあとで私が登ってみたら、足形は恐らく雨のため洗い去られたか、残雪固有の亀甲形の波にまぎれて、それともしれず、鋼線というのも、主の無い蜘蛛の巣の、風に吹かれて散るさまで、ちぎれちぎれのままフヨフヨと、そこらに引っかかっているに過ぎなかった。

八 仙人ノ湯

その間に一度「仙人ノ湯」へ遊んだことを語ろうか。