Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

押籠めちゅうの者にそんなことをする例はないからだ。岡安はもういちど「焚いてやれ」と云い、栄二に頷いて外へ出た。栄二はそのあとからついてゆきながら、左右の手首を代る代る擦った。手鎖の当るところにあせもができているのである。中庭の広場には仕事を終った人足たちがいて、栄二のほうを同情するように見、中には目礼する者もあった。

門番小屋かと思ったが、連れてゆかれたのは役所の建物に属する小座敷であった。縁側からあがり、左へ中廊下をはいったすぐ右側で、そこにおすえが坐っていた。こまかく木の葉を染めた単衣に、茶色の無地のひとえ帯、髪は油けなしのたばね髪で、僅かなあいだに面変りのするほど陽にやけていたが、栄二はすぐにおすえだということがわかった。

「今日は意地を張るな」と岡安が云った、「女の身で寄場などへ会いに来たのだ、そこをよく考えてやれ、いいか」

呼びに来るまでゆっくり話せ、と云って岡安は去った。その小座敷は東に窓、左右は壁で、中廊下に面した障子と窓とはあけてあるが、風はあまりはいらず、かなり暑くるしかった。そこに団扇が出してあったけれど、おすえは手に取ったようすもなく、脇に風呂敷包みを置き、きちんと坐っていた。