Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

油紙を張った箱提灯は風から囲ってあるため、役人たちの姿は見えるが、中庭のほうへは光がささなかった。

「みんな揃ったか」と縁側の上から岡安喜兵衛が云った、「女はどこにいる」

こちらに揃っていますという答えが、人の群れの端のほうで聞えた。

「男どももみな揃いました」と松田権蔵がどなった、「数を読みますか」

「揃っておればよし」と岡安が云った、「これから御奉行のお話がある、おちついて静かに聞け」

寄場奉行は五十二、三の痩せた長身の男で、身分はおめみえ以上、江戸町奉行の下奉行格であった。

「私が成島治右衛門だ」と奉行はよくとおる声で云った、「この暴風に加えて、いま一刻もすると満潮になるから、ここにいては生死もおぼつかない、それゆえ奉行の一存によってそのほうどもを一旦めし放しにする、但し、町奉行の許しなくしてめし放すのだから、七日の内には帰ってまいれ、一人でも逃亡して帰らない場合には、私は切腹して責任をとるつもりだ、わかったか」

大川のほうに伝馬が三艘ある、病人と女を先に、順を守って出ろ、と言葉をむすんだ。人足たちのあいだから、驚きとも恐怖ともつかないどよめきが起こり、かれらは浮足だって崩れだした。