Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
とおのぶは云った、「――栄さんはきっと、ほかの店だって同じだって云うでしょ、そうかもしれないわ、ほかのお店でも変りはなかったかもしれないけれど、そうじゃなかったかもしれないじゃないの、そうでしょ」
「のぶ公ってやつは理屈をこねるのがうめえよ」栄二はそう云って、悪いほうの足の位置を直した、「けれどもな、おれの云いてえのはすみよしっていう店のよしあしじゃあなく、のぶ公の気性が肝心かなめだってえことなんだ、今日までやってこられたのは店のおかげじゃあねえ、のぶ公のその負けねえ性分のためなんだ、それなんだ、おれの云いてえのは」
おのぶはじっと栄二の顔をみつめ、それからゆっくりとかぶりを振った。
「あんたは世間知らずね」とおのぶは太息をつくように云った、「――そうじゃないの、そうじゃないのよ」そしておのぶはちょっと考えてから続けた、「竜が天へのぼるにも、どの雲でもいいってわけじゃない、のぼれる雲とのぼれない雲があるんですって、竜ともなれば天へのぼれる力はあるんだけれど、それでも足掛りになる雲がなければ、――なによ、なにを笑うのよ」
「いいよ」栄二は笑いやみながら片手を振った、「世間知らずが、いきなり竜になったんでびっくりしたんだ」