Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

ではいざというときにどうするか、りゅうは匕首を持っているし、義一も喧嘩には強いようだ。昌吉が加勢するかどうかはわからないが、こっちは片足が不自由なうえに、使えるのは撞木杖しかないし、すばやく動けない躯では、それを投げるよりほかに手はなかった。もちろん自分のところにも、たたんだ蒲団のあいだに丸薪を三本、手ごろなのを選んで隠してあるが、海辺へは五本持って来て、およそ十二、三尺の距離から、杭に向って投げる練習をしていたのであった。

「そこにいるのは栄さんかい」

清七にそう呼びかけられたとき、栄二は心臓が止るほど吃驚した。

「ああ」と栄二はかすれた声で答えた、「なにか用か」

いい晩だねと云いながら、清七が近よって来た。

「こんなところでなにをしてるんだね」

「いちんちぶらぶらしているんで」と栄二は口ごもりながら答えた、「躯がむずむずしてしようがないもんだから、こんないたずらをしているのさ」

そして彼は、持っていた丸薪を、杭に向って投げつけた。空は薄曇りで、雲のひとところが、ぼうと月光にうるんでいるだけだ。十二、三尺はなれた杭は、栄二の馴れた眼でもはっきりとは見えない。