Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
揚げ蓋を元のようにして戻ると、さぶは蝋燭を消しながら、不安そうに栄二を見た。
「その」とさぶは弱よわしくきいた、「まさか、おらを置いていくんじゃねえだろうな」
「おめえしだいだ」栄二は持っていた濡れ手拭を勝手へ掛けにゆき、戻って来て坐りながら云った、「――こんどの仕事は、おれたちの一生をきめることになるかもしれない、本当に待ったなしなんだ」
「わかってる、大丈夫だよ」とさぶは詫びるように云った、「それで、その、じつはこれからでかけてえんだが」
「こころ祝いをするんだ、いっしょにめしを喰べて、それから駕籠でいけばいいだろう」
「駕籠だって」さぶは眼をみはった。
「早く済ませるためにそれも仕事の内よ」と云って栄二は胴巻を引きよせ、中から小判を一枚だけ出した、「おめえの取り分の先渡しだ、遠慮なく取っといてくれ」
さぶはなにか云いかけた。
「いいから取っとけよ」栄二はなにも云わせずに胴巻の紐をしめた、「おめえの性分じゃあ云ってもしようがないだろうが、この金はおめえのもんだ、薄情かもしれないが葛西の人たちに遣っちゃあいけねえ、おめえはな、さぶ、仕事の手順しだいでおせえちゃんといっしょになるんだ、金放れのいいところなんぞ葛西にみせたら、世帯をもってからおせえちゃんが泣かされるぜ」