Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans
さぶのやつは芳古堂から、暇を出されるほど足しげく、島へおれをたずねて来た」
「ちょっと待って下さい」
「おめえこそ待て」と云って栄二は湯呑に酒を注ぎ、それをひとくち啜った、「――仕事のあいま、休みの日ごとに、部屋なかまにまで土産物を持ってたずねて来た、なんのためだ、やがてそれが芳古堂の親方の耳にはいり、あいつは店を追いだされた、なんのためだ、ただ小僧じぶんからつきあった、仲のいい友達だったというだけでか」
「ええ、そうだと思います」蒼白く、ひきつったような顔で、おすえは頷いた、「あたし綿文さんにいたころから聞いていました、さぶちゃんは小さいじぶんからのつきあいというだけではなく、あんたのことを一生の頼りにしていたんでしょう、おれの一生は栄ちゃんがあってこそだ、栄ちゃんていう人がいなければ、おれは土方かぼて振りになっていたところだって、あたしはさぶちゃんからじかに聞いたこともあります」
「ふん」栄二は酒を啜って、冷笑するようにゆっくりと頭を振った、「覚えているかい、と云いたいところだろう」
「なにが覚えているかいなの」
栄二はそっとまた頭を振った、眼の裏に思いうかんだ雨の両国橋の情景を、かき消そうとするかのような動作であった。