Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lisez さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 210 521 caractères · 415 écrans

Aozora Bunko

「おすえちゃんにも相談にのってもらいてえことがあるんだ」とさぶはおすえに云った、「やっぱり事がむずかしくなっちゃったんでね」

栄二はくしゃみをし、洟をかんだ。さぶがもの問いたげに、すばやくおすえを見、おすえはその眼に答えるように、そっと頷いた。栄二はそれを認めたが、なにも云わずに顔をそむけた。二人は自分のことを心配し、ひそかになにごとか打ち合わせているらしい。そう考えると栄二は重苦しく気がめいり、自分がいっそうみじめに感じられた。またまたくしゃみが出そうになったので、彼は紙を取って鼻に当て、二本の指で鼻を揉んだ。

――選りに選ってこんなときに、と彼は心の中で舌打ちをした。肝心なときにくしゃみとは、まるっきり茶番じゃあねえか。

酒肴の膳を持って来たのはおのぶではなく、お初とお竹という若い二人だった。店のほうは客がたて混みだして、話したり笑ったり、酔って来たのだろう、早くもくだを巻く声などが、器物の音といっしょにやかましく聞えていた。

「おらあ大きいのにしよう」と云って、さぶは汁椀の蓋を取った、「栄ちゃんも一つやらねえか」

栄二は首を振った。少し飲むほうがいいんだがなあと、さぶは気遣わしげに云い、おすえに酌をしてもらって、続けさまに三杯飲んだ。