Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
日々これを眼にする多門の苦しみも大きかったが、そのなかにも一つの悦びといっていいのは、さしも一時は危ないとまでに思われた胸のやまいが、このごろではどうやら持ちなおして、心の持ちようと養生一つでは、肺の悩みも決して不治ではない。不治どころかなおし方さえ知ってみれば、とんとん拍子に快くなるばかり……という強い信念を、当の弥生をはじめ多門も持ち得るようになったことだ。
ところが、こうして病気が快方に向かうにつれて、栄三郎に対する弥生の思いは募りにつのって、それも当初の生一本の娘ごころの恋情とは違って、あいだにお艶というものがあるだけに、いっそう悪強い、人の世の裏をいく執拗な妬婦の胸中に変わろうとしていた。
恋の競り合い――あまりにも露骨な、われとわがこころの愛憎に驚きながらも、弥生は日夜そのお艶とやらを魔神にかけて呪わずにはいられなかったのだ……。
よくなりつつあるとはいえ、まだ床は出られない。
今宵も弥生が、おのが友禅を着せた行燈の灯影に、寝つかれぬままに枕に頬をすって、思うともなく眼にうかぶ栄三郎の姿を追い、同時に、翻ってまだ見ぬお艶とやらへ恨みの繰り言をひとり口の中につぶやいていると……。