Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
「やッ! 坤竜がッ!」
おめいた栄三郎、同時に突っ起っていた。バタバタッと駈けよって枕を蹴る。あろうはずがない! やけつく視線を部屋じゅうに走らせても、櫛まきお藤が忍び入って先刻持ち出した坤竜丸、どうしてそこらに転がっていよう!
「ああない! ない……坤竜がない! ふしぎ……」
栄三郎、乾雲を杖によろめいた。
「あの、では、もう一つのお刀が失くなったのでございますか」
おさよのおろおろ声も栄三郎の耳へははいらなかった。
おのが手の竜、ひそかに天角の雲を呼んで、ここに乾坤二刀たえてひさしく再会するかと思いきや、その瞬間にこのたびは竜を逸した栄三郎、二つを対に、とりあえず腰に帯びてみようと意気ごんだだけに茫然自失のていでしばらくは言葉もなかった――。
と!
ふと気がついたのが裏の戸口。
一足飛びに走り出てみると、果たして台所の土間が雪に汚れて、何ものかの忍びこんだ形跡歴然!
「おのれッ!」
と栄三郎、手を乾雲の柄に油障子を引きあけると……いたずらに躍る白羽落花の舞い。
深夜の江戸を一刷けに押し包んで、雪はいつやむべしと見えなかった。
宿業と言おうか――それとも運気?