Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lisez 丹下左膳 (たんげさぜん) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 340 187 caractères · 666 écrans
「水火の秘文がかッ?」
「はい! 細い紙きれへこまかい字でビッシリ書いて、しっかり中心に巻き締めてありました」
「フウム! よかったなア……」
「その時、得印先生はハラハラと涙をこぼされましたが、イヤ、わしどももみんな泣きましたぜ。正直、うれし泣き……ねえ伊織さま、涙が、なみだがボロボロ――畜生ッ! こぼれやがったッ……ハッハッハ!」
「それは、そうであろう。伊織も衷心からおよろこび申しあげる。多年の本懐を達せられた御老人の心中こそ察せられるなあ」
「へえ、そのとおりで」
と、男は、今さらのように握り拳で鼻のあたまをこすりあげていたが、
「お! そうだ! こうしちゃいられねえ――伊織さん、先生がいうにゃア、自分はこれからただちに水火の秘符を持って美濃の関へ帰るが、ついてはこの二刀はもともとお前さまのお家の物、先生としちゃア文状さえ手に入れれば夜泣きの刀には用はねえ。このまま正式のもち主のあんたへ返すから、今までどおり世々代々大切に伝えてもらいたい……また会うこともなかろうからくれぐれも身体を大事に……とね、こういう伝言でごぜえましたので、わたし一人がこの二剣を持ってちょっと帰って来ましたが、先生はじめ一同は、品川に駕籠をとめて待っております。