Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans

Aozora Bunko

源五郎 (打消すように。)不思議といえば不思議だが、そんな間違いが無いとも云えない。なにしろ夜のことだからな。

弥三郎 たとい夜でも、この通りの月夜だ。

源五郎 月夜でも何でも、昼とは違う。まして不断とは違って今の場合だ。狼を見付けよう見付けようと燥っているので、人間の姿もつい狼のように見えてしまったのだ。

弥三郎 そうだろうか。(疑うように考えている。)

源五郎 (畳みかけて。)そうだ、そうだ。屹とそうだ。まあ考えてみるがいい。お前の女房が狼になって堪るものか。

モウロ (進み出づ。)そうです。この人の云う通りです。あなたはどうかして狼を見付け出そうと思って、こころが急いでいる。それがために眼が狂って、人と狼とを見ちがえたのです。そう云うことは珍しくありません。

弥三郎 それはまあそれとしても……。(源五郎に。)おれの女房が今ごろ何でこんなところを駈け廻っていたのか。その理屈が判らないな。

源五郎 むむ。

(源五郎も少しく返事に詰まると、モウロはマリアの像を見せる。)

モウロ あなたの妻はこれを持って来たのです。これをわたくしの所へ返しに来たのです。

弥三郎 (像を受取って眺める。