Classiques japonais avec furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans
いたずらっ児ももう行ってしまったようだ。おれも一番陽気に唄ってやろうか。
(蛙はあたりを見まわして、唄いながら踊る。)
蛙 人を釣ろうか、こどもを釣ろか。死んだ振して子供を釣ろか。……ああ、面白い、面白い。
(蛙は蓮の葉を地にしきて坐す。柳のかげより大いなる赤き蟹いず。蟹は武装して、鋏のごとき刃をつけたる長刀を携えたり。)
蛙 やあ、蟹の叔父さんだね。
蟹 人間の子供もそうぞうしいが、おまえも随分そうぞうしいな。あけても暮れても騒いでいる。蛙の子は蛙とはよく云ったものだ。おれ達を見習ってちっと黙っていろ。
蛙 蟹の叔父さんのように黙っていると、おらあ病気になってしまうよ。こうして時々に陸へあがって来て、唄ったり踊ったりするのが何よりの楽しみなんだ。
蟹 陸には怖いものがいるのを知らないか。
蛙 人間の子供なんか、怖いものか。あいつ等がつかまえに来れば、おらあすぐに水に飛び込んでしまうから大丈夫だ。
蟹 おまえ達には人間よりももっと怖いものがいるぞ。
蛙 なんだろう。(考える。)むむ。蛇か。
蟹 その蛇だ。蛇は人間よりも足がはやい。木のかげや草のあいだに隠れていて、お前たちの姿を見付けると、不意にするすると駈けて来て、あたまから一と呑みに呑んでしまうぞ。