Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans

Aozora Bunko

「異国のお人……異国のお人……。采女……采女。」

救い主の礫もつづいて飛んで来て、三人、五人、それからそれへと撃ちすくめられた。眼がくらんで倒れるのもあった。顔を押さえて立ちすくむのもあった。無事な者共も恐れをなして、思わず二、三間もあとへ退くと、礫はさらに小坂部の方へも飛んで来て、かれの手を押さえている一人は眉間を撲ち割られた。ほかの二人もおどろいて手をゆるめると、それを待ちかねていた小坂部は懐剣を掴んでいる手を振り払って、一人の胸のあたりを突いた。

礫はつづいて飛んで来た。両手で投げるのか、あるいは他に加勢があるのか、礫は一人の手から飛んで来るとは思われないほどに、絶え間なしにばらばらと落ちて来るので、家来共はもう防ぐすべがなかった。かれらは眼に見えない敵に撃ち悩まされて、おそろしい礫の下をくぐりながら、惣崩れになって逃げ出すと、魂のあるような礫は執念ぶかく彼等のあとを追って行って、逃げおくれた一人の脳天を烏帽子越しに撃ち砕いた。それを介抱するひまもなしに、ほかの者どもは這々のていで逃げ散った。

「火を焚け……。早く、早く……。」

もとの辻堂の前まで無事に逃げ戻って、弥兵衛はかれらに指図した。