Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lisez 伸子 (のぶこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 543 caractères · 466 écrans
つや子は急に、ぎっしり両手で伸子の頸にしがみついた。そして、息もせず、体じゅうを強ばらせ、足を畳に踏張って抵抗した。肩に顔を伏せているので見えはしないが、いずれ真赤に汗ばんで、わっと泣き出す一歩手前に相違ない。伸子は動くのをやめた。
「――じゃ、おやめ! 今日はおあずけ」
「この子は妙な子でしてね、つい去年あたりまで豆腐はこわがる、真綿はこわがる、親父の私まで厭がったので閉口しましたよ」
すると、つや子が、皆に背を向けて、伸子に抱かれたまましさいらしく、
「キャンムシも」
と小声でつけ足した。初めて心からの大笑いになった。キャンムシは、神主のつや子語であった。
十時頃女中が、
「お床はどう致したらよろしゅうございましょう」
と訊きに来た。
「さあ……」
多計代は伸子を見た。
「お前の部屋でいいんだろう」
「いいわ」
「じゃあ、いつものように――」
「あの、おかけものや何かはどれに致しますのでしょうか」
多計代は、彼女の場所から動かず、当然それは伸子のすべきことだという風に答えた。
「さあ――何かあるだろう……伸ちゃん、お前行って見てやらないじゃあ判りませんよ」
伸子は、黙って女中の先に立ち納戸に行った。