Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のぶこ

伸子

宮本 百合子

Lisez 伸子 (のぶこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 543 caractères · 466 écrans

Aozora Bunko

夜の空まで瀰漫する都会の巨大などよめきを貫いて、キロロロロロ……と自動車の警笛が聞えた。燈柱の下で夕刊を呼び売する子供の「パイパア、パイパア」と云う甲高い声がとぎれとぎれ聞えて来る。――ホームスパンの男は、手早く書類をまとめて自分の黄色い手提げ鞄にしまった。そして、二言三言佐々と話し、伸子に遠くから挨拶すると、遽しく気取って出て行った。佐々は戸口までその男を見送った。

戻って来ると、彼はうまそうに葉巻の煙を吹いた。

「さて――そろそろ出かけますかな」

伸子は窓際を離れ、傍の長椅子に来てかけながら、訊いた。

「ほんとにいらっしゃるつもり?」

「どうして? お前も行くんだろう? そう返事をしてありますよ」

「私――やめたいわ」

「なぜ?」

「くたびれているの。――それに……あまり面白くもなさそうじゃないの」

「ふむ……」

佐々は、暫く黙って自分の吐く煙を眺めていたが、やがて徐ろに云った。

「着物なんぞはそのままで結構なんだからおいで。――行けば何かしら行っただけのことはあるものだ。それに儂のいるうちできるだけ人も知って置かないと、いざという時一人で困るよ」

今夜、彼女は父と二人、日本人の学生倶楽部で催されるある集り、茶話会のようなものに招かれていた。