Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
のぶこ
伸子
宮本 百合子
Lisez 伸子 (のぶこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 232 543 caractères · 466 écrans
宝石商の店頭に飾られた何百弗、何千弗と正札つきのダイヤモンドが、贋物としか思われない場所柄であった。
安川は靴を一足買った。伸子はリボン一巻と、白レイステーブル掛と、可愛い家鴨の子の玩具を二つ買った。安川は伸子の子供らしい買物を見て、
「可笑しな人ね、どうするのそんなもの二つも」
と笑った。
「可愛いじゃないの、まるで可愛い恰好だわ、佃さんにも上げるの」
伸子は、ふわふわ手応えない紙包みを大切に抱え、傘をさし、びしょびしょ濡れた鋪道を戻った。
眠らなかった割に、伸子の心持は、はっきりしていた。永いあいだ悩んでいた問題が、ひとりでに来るところへ来た。そういう落着きがあった。それは決して楽な行手を示してはいない。自分に女性としての苦労が始まるだろう。佃に協力する熱誠さえあれば、伸子はそれを恐れる自分とは思わなかった。彼がよし、と云えば自分の決心はできている。伸子の胸には希望と一緒に、云い難い一筋の悲哀、不幸の予感があった。それは、親のことであった。彼女は両親を愛していたし、彼らが伸子の伴侶を想像すれば、凡そどんな青年を考えるか、見当はついていた。公平に云って、佃は彼らの空想の中に現われるだろうどの人物とも、縁が遠いのは明らかであった。