Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans
四ん這いになってマン・ホールを覗き込んでいる男の顔と、黒い水に浮ぶ夢の様な女の顔とが、上下でじっと目を見合せていた。
白昼の銀座近くの人通りだ。覗き込む工夫の眼の隅には、忙しそうに歩いて行く人影がチラチラと映っている。地上の世界は、何の変りもなく、昨日も今日も同じ様に運転しているのだ。その慌しい現実世界から、ヒョイと頭をめぐらして、この暗い地底の流れを覗いて見ると、そこには、地上とは全く縁のない、青白く美しい別世界が開けていた。
その薄汚い闇の中からじっと見上げている女の顔の、この世のものとも見えぬ美しさ。もう一人の工夫がシャンだと云ったのは嘘ではなかった。夢にもせよ、幻にもせよ、よくもまあ、これ程美しい女がと、彼は首をマン・ホールに突込んだまま、飽かず眺め入るのであった。
だが、ふと夢見心地から醒めて見ると、徒らに地底の美女を観賞している場合でないことが分った。これはただ事ではない。まさか生きた女が下水道に潜り込んでいる筈はない。いくら美しくても、生々としていても、この女は死骸に極まっている。アア、ひょっとしたら、……
「オイ、こりゃ人殺しかも知れないぜ。