Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ようちゅう
妖虫
江戸川 乱歩
Lisez 妖虫 (ようちゅう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 120 290 caractères · 239 écrans
我れと我が肌をじっと眺めていると、珠子はいつもの擽ったい様な、甘いような、夢心地になって行った。
(人間って、どうしてこんなに美しいのだろう)
珠子は彼女自身の裸身に惚々とすることがあった。ある名も知らない赤雑誌に「東京女学生美人投票、第一席、ミス・トウキョウ」として、どうして手に入れたのか、珠子の写真までのせてあったのが、大評判になって、お友達から散々冷かされたことが、寧ろ誇らしく思い出された。
彼女は自分自身の美しさをよく知っていた。知っていればこそ、余計に今度の事件が恐ろしく思われるのだ。人の恨みを買った覚えは少しもない。犯人の目的が何であるかは、春川月子という第一の犠牲者を考えただけでも、分り過ぎる程分っている。
「オオ、青眼鏡さん! あたしの身体が、そんなにも欲しいの?」
彼女はふとそんなことを口走って、独りで赤くなった。兇悪無残の殺人鬼が、ゾッと総毛立つ程恐ろしければこそ、怪しくも懐しまれる刹那がないのではなかった。
彼女は目の前の透明な湯の中に、浮き上った桃色の肌の上に、水晶体凝視の魔術の様に、まざまざと、もつれ合うおぞましの幻を描いていたが、その余りにも強烈な刺戟に、真蒼になって思わず飛び出す様に浴槽を出た。