Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
三
三
酒の支度をしようか、となをが聞きに戻ったが、主馬がもう来るだろうし、まだなにも欲しくなかったので、そのまま待つことにした。
――これで谷町とは縁が切れるだろう。
母はまだみれんがあるらしい。しかし、半分は諦めていたようだ。千之助が、自分の代りに佐枝の婿になりそうだ、ということを告げたら、どう思うだろうか。
「二人は伯母と甥だ」
ふと呟いて、そんな呟きがしぜんと口に出たことに、半之助は少しおどろいた。
――おれの気持は、母からまで、こんなに離れてしまった。
たしかに、もうかなりまえから、彼には、母の存在がうるさくなっていた。父の生きていたときは、そんなことはなかった。小言もすなおに聞けたし、身のまわりの、こまごましたことも、すすんでして貰った。もともと、よその家庭ほど厳格でなかったのと、一人息子で、我儘に育てられたから、どっちかというと、母にはあまえっ子であった。今でも、母のいないところでは、ときによると、かなしいほど母に愛情を感じるが、いっしょにいると、堪らなく気ぶっせいで、鬱陶しくて、苛いらしてくる。それは、まるで本能のように、抑えることのできないものであり、しだいに強くなるばかりだった。