Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans

Aozora Bunko

「ええ本当なの、それはね」

花世は話し続けていた。

「それはまるで、まっ白な雪の宮殿なの、まっ白で、お日さまが出るときらきら光って、眩しくって見ていられないくらいよ、そして月夜に見ると、凄いの、そうね、なんて云ったらいいかしら、……そう、とても云えないわ、凄いっていうほかには、なんと云いようもないわ、あなたごらんになればわかってよ」

そして力をこめて云う。

「ね、ごいっしょにゆきましょう、もう四五日して、満月の晩が来たら、ね、しょうさま、いいでしょ」

「こんどはしょうさまですか」半之助は苦笑しながら答えた。「ええつれていって貰いましょう、しかしその、凄い宮殿というのはいったいなんです」

「あら、もうさっき申上げたでしょ、甘利山のうしろの、向うにある法王山よ、聞いていらっしゃらなかったのね」

「聞いていましたよ」

「あなたもう甘利山へお登りになって」

半之助は首を振った。

「あらいやだ、では此処へいらしってから、どこもごらんにならないで、じっとこうしていらっしゃるのね、ずいぶんな怠け者だこと」

「それは私の罪じゃない」彼は苦笑しながら云った、「此処へ来るときに、いろいろな人からおどかされましたからね、椹ヶ池へ近よってはいけない、かんば沢へ入ると生きては帰れない、どこそこには亡霊が出る、甲斐の国じゅうの狸の集まる場所がある