Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
根がはねあがり、土くれが飛んだ。
「みんなさがれ」平四郎がそう叫んだ、「もっとうしろへさがれ」
こちらの地面も震動した。だが、誰も動かなかった。あまり異常な、まったく経験のない出来ごとの、すさまじさに、平四郎の声も聞えず、身動きもできなかったのである。
「どうしたんです、あれは、どういうわけなんです」
主馬が、唾をのみながら、ふり返って平四郎を見た。平四郎はゆらりと手を振り、眉をしかめて、口ごもった。
「わからない、が、たぶん、此処は地盤がゆるくて、つまり、樹が大きくなると、支えきれなくなる、……というのだろう」
「すると水が濁っていたのは、あのときもう地盤が動きだしていたわけですか」
「かんば沢の崩壊の、影響もあるだろうね」
「ぎょっとしますね」
主馬はまたふり返った。
彼の眼には、倒壊する林の中へ、走り込んでいった千之助の姿が、ありありと残っている。平四郎は本草学などをやるので、敏感に危険を感じたのだろうが、彼に止められなければ、自分も千之助と同じ最期をとげたにちがいない。……どうやらもう倒れ終るらしい、林の跡の、からっと明るく、裸になった池畔を見ながら、主馬はぶつぶつと呟いた。