Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
山葡萄の古酒から始まって、出る料理がみな変っているのに、半之助はおどろいた。
鮎の若竹蒸し、というのは、今年竹のひと節を割り、その中へ鮎をまるのまま入れ、あけび蔓で巻いたのを、外から藁火で蒸し焼きにする、のだそうである。
それから、聞いたことのない、山菜の浸しものや、岩魚の田楽などが出、次に焼いた肉の皿が出た。
「これはおれも初めてだぞ」
主馬がひらきなおって云うと、女の一人がなかば自慢、なかばきみが悪そうに、「鹿の肉でございます」と云った。
「冗談じゃない、いまじぶん鹿の肉が食えるものか」
「いいえ、冬に獲った若鹿の肉を、雪詰めにして置くのだそうでございます、召上ってみて下さいませ、みなさんたいへん珍重だと仰しゃいますわ」
「仰しゃるかね」
主馬は軽口を云いながら、箸をつけた。
半之助も喰べてみた。焦げめのついた肉に、なにか果物を潰したような、甘酸っぱい、どろっとした汁が掛けてある。雪詰めにしたというが、塩も振ってあるのだろう、かなり塩がきいているが、肉の味は、比較するもののない、こうばしい匂いと、こまかな味をもっていた。女中の説明によれば、それは野猪の脂を、鉄鍋に溶かして、その熱で煎り焼きにしたのだという。