Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lisez 山彦乙女 (やまびこおとめ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 360 caractères · 251 écrans
「乙女さま、早く」大助はのりだして叫んだ。
花世はあざやかな抜き手で、魚のように早く泳いで来る。そのとき、和助という若者の乗った舟も、そこへ漕ぎ寄せて来た。
「なにをしているんだ、乙女さまはどうなすった」
「いまおいでなさる」
大助は苦笑しながら、向うの、ひっくり返った舟と、水をはねちらしている人たちを指さした。
「困ったおいたずらだ」和助は自分の舟をまわらせながら、「今日は七夕で、あのお屋敷へゆく日じゃないか、比女さまはたいそう怒っていらっしゃる、おまえも知っていた筈だろうが」
「そんなことぐらいで、乙女さまがすなおにお帰りなさると思うなら、お守り役はこれから和助に譲るよ」
「なにを云うんだ、つまらない」
和助は相手にならず、ちょうど泳ぎ着いた花世に向って、こちらへお乗りなさい、と呼びかけた。
「こちらは櫓が二挺ですから早うございます、比女さまがお待ちかねでございますから、大助、お召物を」
「ああ面白かった」
花世は疲れたようすもなく、舟へあがるとうきうき叫んだ。
「おまえ見た、和助、乙女がいま舟をね、あの舟よ、あれをね」
和助は彼女を浴衣で包んだ。
二
和助の云うほど、登世は、怒りはしなかった。