Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

Lisez 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 621 caractères · 195 écrans

Aozora Bunko

重吉はクッタクがなかった。彼は自分の家などへは戻らなかった。停車場から、まっすぐ恩師倉田由之先生を訪い、爾後の生活を托したのである。由之はすでに武道教師をやめて、網元、船元であり、新興実業家でもあれば、顔役でもあった。重吉の働く仕事はいくらもあったが、重吉はみんな辞退し、下男奉公を志願した。彼は快活であり、暢気であった。モト子も元の枝へ戻って、倉田家の女中となった。重吉は忘れたように、龍教のことなどはオクビにも出さなかった。

重吉はクッタクなく快活であったが、やること、為すこと、昔の石頭の豪傑時代さながらの粗野、無礼、それが病弱で腺病質の公一と、事毎に対立した。

重吉は手洟をかむ癖があった。その手で米をといだりするというので、公一は重吉の挙動から目をはなさず、飲食物の支度に手をふれることを禁じた。もし手をふれるのを見たりすると、彼は食事をとらなかった。そして、血の気の失せた顔に青筋を立てゝ重吉に叱責面罵を加えるが、そういう時に、重吉はエヘラ/\笑いながら、クルリとふりむいて、ブッと大きな屁をたれる。まったく重吉の屁は神技に属する性質のもので、いつでも、思う時に屁がたれられるような奇妙な体質であった。