Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

Lisez 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 621 caractères · 195 écrans

Aozora Bunko

第九章 美津子の第一回目の訊問

ちょッと振り向いて見ましたが、なんにも見えませんでした」

「それは何時ごろだね」

「夜釣りの漁師が時計をぶらさげてりゃ、日本も一等国でしょうがネエ。まア、一時か二時ごろじゃアありませんでしたか」

「そっちの方角にエンジンの音をきかなかったか」

「それはきいたようですね。何度もききましたよ。あのへんは漁船の通るところですから、別に気にとめてもいませんでしたがね」

「ほかに物音をきかなかったか」

「毎晩きく音のほかには、特別のものをききませんでしたな」

「毎晩きく音とは、どんな音だな」

「まず夜汽車の音。それから大謀のホラ、お寺の鐘。海じゃア、ほかに珍しい音もきかれませんや。時々、海岸の崖を進駐軍の自動車の通るのが見えたり、きこえたりするぐらいかね」

「今朝、夜があけてから、何か海上に変ったことはなかったか」

「気がつきませんでしたね」

久七の訊問から得るところは何もなかった。

第九章 美津子の第一回目の訊問

この事件がいくらかでも軌道にのりだしたのは、美津子の訊問が行われてからだ。それは全ての人々が期待していたところであった。美津子の生命をとりとめることができたら。美津子の返事をきくことができたら、と。