Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
Lisez 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 938 caractères · 67 écrans
――ずうと俥で通しですよ。」
「自動車も大袈裟となりますと、持ものに依っては、電車では気がさしますし、そうなると俥です。……」
と、ふと、もの思う状に、うっかりした様子で真三が言った。
「私も、――昨年ですが、塔婆を持って、遠道を乗った事があるんです。……」
「へい、貴方が塔婆を……」
と、古行燈の目を移して、槙の顔と枕を見た。視たが、
「おや、塔婆が真白だ。」
と、熟と白尾が瞳を寄せ、頬を摺るばかりおかしく傾いて鼻できいて、
「白粉だ。――誰か悪戯に塗ったと見えます。ちょッ馬鹿な……御覧なさい、薄化粧ですぜ。この様子じゃ、――信女……とある処へ、紅をさしたかも知れません。」
「はあ、この塔婆は、婦人のですか。」
問う声も何となくぼんやりする。そのわけで……枕の色も、閨の姿も、これは、一定さもあるべきを、うかうか聞くのであったから。
「勿論です――何処か、近まわりの墓地から都合をするように、私たちで、此家のうちへ頼んだんですが、それには、はなから婦人のをと云う註文でしたよ。」
さらぬだに、魔の行燈と、怨霊の灯と、蚊帳の色に、鬱し沈んだ真三の顔を、ふと窺いつつ、