Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans

Aozora Bunko

これは、ひとりわが身たちへ給うたものではない。さきに勝入と共に、あえなく散った家中の士の女房たちへも下された――ねんごろなお文であるぞや。……そのつもりで、みな聞きなされ」

と、告げた。

泣きくれている老母や妻に代って、大勢の男女をまえに、於通がそれを読んで聞かせた。

於通は、菩提山の松琴尼の手許で、源氏の素読を習っていた頃のような調子で、それを読んだ。

かの女が読むと、かの女の感情が、文を生かして、わずかな辞句にも、深味が加えられ、聞く者みな、涙をながした。

良人をなくし、子を死なせた、家中の者の遺族のうちでは、声をあげて、泣くのもあった。

いや、正使として来た、浅野弥兵衛までが、もらい泣きして、懐紙に顔をつつんだ。

無事、慰問も終ったので、使者たちは、あくる日の早朝、大垣を立った。

すると。

大垣城を出たときから、見えかくれに、使者の一行について行く者があった。

たれも気がつかなかった。

しかし、於通は、すぐ気がついていた。

(三蔵らしい……)と。

けれど、そ知らぬ顔して、かの女は、駒にゆられていた。

五月にちかい野の道を、馬でゆく旅は戦争を忘れさせる。