Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans

Aozora Bunko

「どうじゃの、助殿。……お考えは?」

「さあて」

書面を巻き返し、主殿助の手へ返して、

「其許の御思案はな?」

「いちばん、ここは、思案のしどころと思うが」

「よしッ。拙者も、思案を見せよう」

いうやいな、助右衛門は、いきなり主殿助の喉首を攻めて、でんと、床の上に組み伏せた。

主殿助は、眼を剥いて、憤怒した。

「な、何をするっ。貴様のためを思って打ち明けたのに、その友情を、裏切るのか」

上の助右衛門は、組み伏せた手をゆるめなかった。

「主君を裏切り、城中の戦友を裏切ろうとした汝が、友情などとは、片腹いたい。汝をこそ、裏切り者とは申すのだ」

「くそうッ」

主殿助は、死にもの狂いに、足業を仕かけたが、助右衛門の声に駈け上がって来た兵たちが、忽ち、かれを高手小手に縛めた。

「その者は、角矢倉の柱に、くくり付けておけ」

助右衛門はすぐ、実弟の奥村加兵衛をよんで、千秋主殿助にかわって、東曲輪の指揮をとらし、そこの守兵を入れ替えさせた。

内に、こんな際どい危険もあったりしながらも、末森城の守りは、依然、堅かった。

城主助右衛門の毅然たる態度にもあるが、一面、かれの妻が、よく兵をねぎらい、領民をかばい、自己の一命や安危などは措いて、衆と共に、良人と共に、女の道の善美をこの中に描いていた力も大きい。